例大祭
涼ヶ岡八幡神社の例大祭の斎行日は従来旧暦の8月15日でしたが、現在は新暦の9月第3金・土曜日になっています。
この2日間は、恒例のふるさと行事「いもずいも(芋吸物)」がふるまわれます。また地元の小学生が夏休みに竹灯籠に絵を描いた作品を神楽殿回廊に展示します。
宵祭りでは、神事の後、神楽殿にて民舞、ギター演奏、民謡が奉納されます。参道では竹灯ろうを点灯します。また、境内の本社本殿をはじめとして主な社殿のライトアップを令和5年から行っています。特に本社本殿の壁面に浮かび上がる彫刻が幻想的な趣をかもし出します。
本祭りでは、神事の後、神楽殿において日本舞踊、福島県重要無形民俗文化財の「相馬宇多郷の神楽」、オカリナ演奏が奉納されます。
参詣者休憩所で「いもずいも」を頂く
絵付け竹灯ろうの受賞児童と神楽殿回廊への展示
境内でのライトアップ
《例大祭 宵祭り》
月 日 時 刻 内 容 場 所
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9月第3金曜日 午前11時~午後7時 いもずいも 参詣者休憩所
午後1時10分 絵付け竹灯籠表彰式 神楽殿
午後5時 神 事 本 社
午後6時 民舞・ギター演奏・民謡 神楽殿
竹灯ろう点灯 参 道
ライトアップ 境内社殿他
期間中 絵付け竹灯ろう展示 神楽殿
式典(神事)は参進で始まる
日本舞踊
《例大祭 本祭り》
月 日 時 刻 内 容 場 所
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9月第3土曜日 午前10時~午後1時 いもずいも 参詣者休憩所
午前 9時 神事
午前10時 日本舞踊・神楽舞・オカリナ演奏 神楽殿
期間中 絵付け竹灯ろうの展示 神楽殿
いもずいも(左)、赤飯(中央)、おでん(右)
《「いもずいも」について》
例大祭の2日間にわたり、涼ヶ岡八幡神社敬神婦人会によりふるまわれるのが、「相馬ふるさと行事」として名物になっている「いもずいも」です。
「いもずいも」とは、里芋の吸物のことで芋吸物(いもすいもの)がなまった言葉です。
従来の例大祭斎行日であった旧暦の8月15日は中秋の名月で、秋の収穫を感謝して里芋をお供えしており、芋名月とも言われていました。
江戸時代の終わりのころ、この地域(相馬、当時は相馬中村藩)では、二宮仕法を取り入れて飢饉により疲弊した農村の復興に目覚ましい成功をおさめています。その際に催された「いもこじ会」という常会で、村人が意見を出し合って議論しました。「いもこじ」とは、水桶に芋を入れて「×形」に縛った2本の棒でこじまわして芋の皮を取ることをいい、芋と同じように意見をだしあってこじ回されるうちに、良い知恵が出ることからそう呼ばれました。また「いもこじ会」では、定かではありませんが里芋の入ったお汁を出していたとも言われています。
「いもずいも」は、鳥居前の佐藤商店や今田地区の菅野さん他の個人により以前からふるまわれていました。涼ヶ岡八幡神社では、昭和四十年(1965)に涼ヶ岡八幡神社敬神婦人会が結成され、上記の方々より「いもずいも」の作り方を教えて頂き、翌昭和四十一年(1966)の例大祭で一般の方々にふるまうようになりました。
以上の故事にちなんで、「いもずいも」を食べると一皮むけて良い知恵が出る、つまり野暮が抜けて頭が良くなる、と地域の皆様に親しまれております。
食券は、「いもずいも券」、「おでん券」共に300円です。他に赤飯(500円)も用意しています。随身門の受付で食券を購入し、参詣者休憩所でお召し上がりください。
涼ヶ岡八幡神社神楽保存会(左)と日下石敬神会(右)の神楽
《「相馬宇多郷の神楽」について》
「相馬宇多郷の神楽」は、福島県重要無形民俗文化財に指定されており、現在各地域の20団体が活動しています。そのうち、地元の御手神楽台敬神会、涼ヶ岡八幡神社神楽保存会の2団体が例大祭本祭りで神楽舞を奉納します。
八幡の神楽は、およそ40年の間活動を休止していましたが、伝統芸能を失いたくないという思い、震災からの復興、そして平成二十六年(2014)の神楽殿の完成、が契機となり復活の機運が盛り上がりました。
そこで、涼ヶ岡八幡神社本社におさめられていた獅子頭や太鼓を修理し笛等の道具も取り揃えて、若い小学生も仲間になり平成二十七年(2015)に涼ヶ岡八幡神社神楽保存会として復活、同年の例大祭宵祭りと本祭りで初披露されました。
八幡小学校児童制作の絵付け竹灯ろうの展示
《絵付け竹灯ろうの展示》
地元の相馬市立八幡小学校の児童が、夏休みの課題として竹灯ろうに絵を描いた作品を、祭りの期間中神楽殿の回廊に展示します。また、各学年の優秀作品(金賞・銀賞)を宵祭りの昼に神楽殿において表彰します。
宵祭りでは参道に灯ろうと竹灯ろうが灯る。
《参道の竹灯ろう》
宵祭りの晩は、参道に竹灯ろうを設置・点灯します。常備されている赤い灯ろうと調和して幻想的な夕べを演出します。